職員研修の一環として施設見学を行いました。(株式会社Jサーキュラーシステム)
2025.09.01
2025年7月22日(火)午前、当財団の職員研修の一環として、神奈川県川崎市にある株式会社Jサーキュラーシステムを見学しました。同社は2023年7月に、プラスチック資源循環促進法の施行や自治体・産業界のニーズを背景に、J&T環境株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社JR東日本環境アクセスの3社が出資して設立されました。JFEスチール東日本製鉄所構内に拠点を構え、自治体が回収する一般廃棄物(容器包装プラ+製品プラ)と産業廃棄物(使用済みプラ)の両方を受け入れています。令和6年12月には、川崎市とJサーキュラーシステムを代表とするグループがプラスチック資源循環促進法に基づく再商品化計画の認定を取得しています。
見学では、高度選別ラインおよびケミカルリサイクル原料製造ラインを中心にご案内いただきました。川崎市や大田区などからのプラごみは自治体ごとに保管・区分され、大田区のごみは発泡スチロールの割合が高いという特徴があります。処理ラインは1時間に3トンの能力があり、手選別で禁忌品(おもちゃ、電池、ハンディファンなど)を除去後、手作業と光学選別機で素材ごとに分別します。AIやロボット導入も検討されていますが、素材の多様性から識別は難しく、現状は手選別が中心です。
選別後のプラスチックはベール状に圧縮され、PP(ポリプロピレン)などはマテリアルリサイクルへ。特にPPは、再資源化しやすい素材とされています。その他はケミカルリサイクルに回され、産業廃棄物・一般廃棄物あわせて約2万トンのうち、約3分の1が株式会社レゾナックでガス化されています。
また、火災防止対策として、熱源を感知して自動で放水する装置が設置されており、過去に複数回作動したとのこと。蕨市の処理施設火災時には、約1ヶ月にわたり代替処理を担っているという事例も紹介され、柔軟な対応力がうかがえました。
現在、川崎市・大田区・藤沢市など複数自治体と連携しており、今後も広域的な受け入れ体制の拡大が見込まれます。一方で、複合素材への対応や選別の効率化、自治体・企業間の連携強化が今後の課題、とのことでした。
製造されたプラベール品。自治体により色分けがされている。
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ケミカルリサイクル原料製造ラインの様子