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次世代静脈インフラの構築に向けた包括的な研究(共同研究事業) ~ごみ焼却施設と下水処理施設の連携可能性の検討~

概要
ごみ処理システムに求められるニーズが大きく変化している中で、今までの研究成果を利活用しつつ、新たな社会的ニーズにも合致したテーマとするため、2020年度から本タイトルで共同研究事業を開始しました。
これまでの共同研究事業の研究成果から、自治体のごみ処理施設が地域の廃棄物エネルギーを効率的に回収するための1つの方策として、ごみ焼却施設と下水処理施設の連携を提案しました。しかし、開発したツール(GIS、環境性・経済性評価)の持続的な運用体制を構築し、社会実装まですることは容易ではありません。
引き続き、2021年度においては、これらの課題に加え新たに取り組むべき課題を追加し、3つ目のサブテーマを設けることにしました。サブテーマ1として、上記の開発したツールの普及方策を検討するとともに、ごみ処理システムに求められるニーズの多様化に対応し、静脈施設の自動運転、AI・IoT等(自動化等)のさらなる普及促進を図る方策を見出す目的で、2020年度から実施している「静脈施設の自動化等の考え方に関する研究」をサブテーマ2として活動しています。
更に、2021年度からは、国内外の脱炭素の動きに廃棄物分野でも対応していくため、「廃棄物処理施設の脱炭素・省CO2に関する研究」をサブテーマ3として活動しています。

実施年度:2020年度~2021年度

共同研究事業について

共同研究事業では、廃棄物処理・3R研究の推進に関する技術的なテーマを設定し、委員の先生3名および関心がある財団の会員企業5社と共同で調査研究を実施しています。

2021年度 事業内容

2021年度の共同研究事業は以下の体制としています。テーマごとのワーキンググループ(以下WG)方式を採用し、従前の検討会を各WGの上部組織として成果の方向性調整や相互情報交換の役割とし、一方の各WG研究会では各社のそれぞれのテーマの専門のメンバーや、オブザーバーとして環境省、国交省、国総研の方々にも入って頂き、より活発な議論を展開できる場としています(図)。
この体制での令和3年度の研究計画は下記(1)~(3)の通りです。


図 令和3年度共同研究事業の体制

(1)サブテーマ1「ごみ処理施設と下水処理施設の連携促進に関する研究会」
  1. 混合メタン発酵事例の現地調査及びヒアリング調査
  2. ごみ処理施設と下水処理施設の連携事例の現地調査及びヒアリング調査
  3. 混合一般廃棄物の生ごみ分離技術の調査(長岡技術科学大学で分析)
  4. 国総研(国交省 国土技術政策総合研究所)の調査研究との連携

4.については、今年度から下水道を核とした資源循環システムの広域化共同化に 関する研究を実施している国総研と同様な研究を行っていることから、調査研究の成果等に関して情報交換していきます。

(2)サブテーマ2「静脈施設の自動化等の考え方に関する研究会」
  1. 事例調査・アンケート調査のフォローアップ
    ・ 最新の公開情報に関するフォローアップを行います。
    ・2020年度は、コロナ禍により、アンケート調査後のヒアリング調査等が十分に実施できなかったため、フォローアップ調査を実施します。
  2. 自動化等に関する「尺度」に関する検討
    ・ 2020年度の調査により、自動化等の技術・システムを評価するための「尺度」を構築していくことの重要性が示唆されました。
    ・自治体等の理解を得るための「尺度」の在り方に関する検討に着手します。技術熟度レベルTechnology readiness levels (TRL)による評価を検討します。

(3)サブテーマ3「廃棄物処理施設の脱炭素・省CO2に関する研究会」
  1. パリ協定や地球温暖化対策計画の策定、中央環境審議会循環型社会部会(第38回)における、「廃棄物・資源循環分野における温室効果ガス排出実質ゼロに向けた中長期シナリオ(案)について」の公表(令和3年8月5日)等、廃棄物分野においても脱炭素の取組を加速しなければならない状況です。本WGでは、こうした国の動向や自治体の動向をフォローするとともに、技術・経済的な観点から必要となる対応策を抽出することを目的とします。

なお、サブテーマ3の検討においては、「令和3年度脱炭素化・先導的廃棄物処理システム実証事業」(環境省委託事業)に応募し、採択された「地域の熱利用マッチングによる焼却施設からのエネルギー回収高度化実証」事業の一部を受託したことから、整合性を取りながら進めて行きます。

2021年度の実績

  1. 第43回全国都市清掃研究事例発表会資料Ⅰ-1-3「次世代静脈インフラの構築に向けた包括的研究(ごみ焼却施設と下水処理施設の連携)」
  2. 年次報告会資料「次世代静脈インフラの構築に向けた包括的研究」

2020年度 事業内容

2020年度からは、2019年度までの共同研究事業の成果を自治体に普及させるため活動中です。まず広報活動として、環境誌「環境施設」に「ごみ焼却施設と下水処理施設の連携に向けて」「連携検討支援ツールの開発~GISによる可視化と環境性・経済性評価のケーススタディ~」の2編を投稿しました。また、当財団の2020年度年次報告会でユーチューブにより、表題のタイトルで5つの研究成果を報告し、200件以上の視聴アクセスを得ました。
このように開発したツール(GIS、環境性・経済性評価)の持続的な運用体制の構築及びその社会実装に向けた活動を行うと共に、自治体と連携した実証事業の企画立案を継続しています。また、同時に静脈施設の自動運転、AI・IoT等(自動化等)の普及促進を図る方策を見出す目的で、「静脈施設の自動化等の考え方に関する研究」をサブテーマとしました。静脈施設が自動化等技術を活用した重複のない効率的な「次世代静脈インフラ」に近づくための方策を研究しています。
2020年度はメインテーマと2つのサブテーマを設定しました。

(1)メインテーマ「次世代静脈インフラの構築に向けた包括的研究」 ~ごみ焼却施設と下水処理施設の連携可能性の検討~
(2)サブテーマ1「MBTシステムの エネルギー回収に関する調査」

開発したツール(GIS、環境性・経済性評価)の持続的な運用体制の構築及びその社会実装に向けた検討を行います。また、自治体と連携した実証事業の企画立案を行います。(事例:2019年度佐賀県唐津市)

(3)サブテーマ2「静脈施設の自動化等の考え方に関する研究」

本研究の目的は、自動運転、AI・IoT等(自動化等)の普及促進を図るために必要な方策等を研究することです。

2020年度の実績

  1. 第42回全国都市清掃研究事例発表会資料Ⅰ-1-3「次世代静脈インフラの構築に向けた包括的研究(ごみ焼却施設と下水処理施設の連携)」
  2. 年次報告会ppt資料「次世代静脈インフラの構築に向けた包括的研究」
  3. 環境施設、No.160、2020.6、「ごみ焼却施設と下水処理施設の連携に向けて」
  4. 環境施設、No.161、2020.9、「連携検討支援ツールの開発~GISによる可視化と環境性・経済性評価のケーススタディ~」